オンラインゲームで対戦する「eスポーツ」が徐々に身近になる中、プロゲーマーを目指す
日本初の専門高校が開校します。中学3年の宮本信さんは、ある不安を抱えながらオープンスクールに参加し、入学の意思を固めました。新しい進路の魅力とは―。
■没頭…最高成績はアジア「43位」
自宅でパソコンに向かい、シューティングゲームに熱中する中学3年生の宮本信さん(15)。終了後、納得いく結果が出ず「めっちゃ下手だった」と言いました。
「休みの日は朝9時ぐらいに起きて、夜までずっとなんで」。宮本さんは平日は4時間、休日は10時間、ゲームに没頭するといいます。
母の直美さんは「最初はLANケーブル切断して、『もうやめて!』みたいな感じで…」と笑います。
宮本さんは大会にも参加し、最高成績はアジアで43位。高校受験のシーズン、1月23日に
向かった先は、東京・渋谷でした。
■授業の中身は…プロゲーマーが指導
4月に開校する、「eスポーツ高等学院」。日本初のプロゲーマーを目指す専門の高校で、
オープンスクールが行われました。会場では「どうせやるなら、トップを目指して頑張っていきましょう」と呼びかけられました。
同校では幅7mにもなる大会用の大型ビジョンが設けられ、最新のゲーム用のハイスペックPCが1人1台使えます。
授業は週に3日がeスポーツのトレーニング、残り2日は国語や数学、英語などの基礎学習というのが、カリキュラムの例です。eスポーツ中心の生活を送りながら、高校の卒業資格を取得できます。
最大の売りは、先生に現役のトップクラスのプロゲーマーがいることです。全国都道府県対抗eスポーツ選手権全国2位のプロ選手ひゅーがさんの指導が受けられます。
■「普通の学校に行くのが…」悩みも
宮本さんはオープンスクールの参加前、「正直まだまだ普通の学校に行くのが普通っていう風潮があるので…。けっこうみんなと変わってるんで、それがいいのか悪いのか」と話していました。直美さんは応援してくれていますが、不安もありました。
オープンスクールでは、ひゅーがさんがサッカーゲームの様子が映された大型ビジョンの前で「プロの選手はこの下のレーダーを見て、全体の選手がどこにいるかを把握します」と解説しました。
「自分では意識しているつもりでも、できてなくて負ける時とかあるから。いつ見てて、いつ見てないのかが知れるって、いいなって思いました」と話した宮本さん。「俺まじ下手っす」とも漏らしました。
■「eスポーツ」関連の仕事への道も
大会で勝つためのテクニックの指導だけでなく、プレーしながら、ネットで配信する「ゲーム実況」の授業もあります。
防音ブースに案内された宮本さんは思わず、「かっこいい」。ひゅーがさんに「ライトがあることで配信映えがして」と教わり、「家ではやったことないです」と言いました。ひゅーがさんは「家でやると、お母さんに怒られちゃうとかありますからね」と応じました。
この学校では、他にもプログラミング、ゲーム開発、VTuberなどeスポーツに関わるさまざまな仕事への道が開かれ、大学進学などもサポートします。
オープンスクールを終え、直美さんは「お疲れ様。どうだった?」と出迎えました。宮本さんは「楽しかった。スキルアップしたい」と感想を話しました。
入学する気持ちが固まった宮本さん。プロゲーマーを目指していきます。
(2022年2月1日放送『news zero』より)
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